始まりは

巣立ちホームは、巣立ち会誕生と共にスタートしました。 当初は三鷹市で一カ所だったホームの数が少しずつ増え、令和６年３月現在には事業所１２ユニットで定員８３名となっています。

社会的入院から、地域での暮らしへ

長期入院患者の退院困難理由の多くは、住まいや支援の不足からです。 巣立ちホームでは、これまでに350名以上の方の退院促進と地域移行支援を実現しました。 そのうち300名を超える方々をホームで受け入れています。退院者の平均入院期間は10年を超えています。 断らないということを前提に受け入れを進め全国的に類を見ない成果を挙げています。

卒業し、慣れ親しんだ地域へ

東京都内の精神病院は区部には少なく、多摩地区に多くの病院があることをご存知でしょうか。 例えば、元々は23区内に住んでいた方々が、多摩地区に入院をされ、当法人の退院促進支援で三鷹市・調布市のグループホームに入居され、その後安定した暮 らしが続いたところでホームを卒業され、近くのアパートに移り住むことになるケースが多々あります。 その結果、精神病院の数だけでなく、地域で暮らす精神障害者の数も、区部と調布・三鷹市との間で大きな不均衡を生んでしまいました。そして、精神障害者が行政担当者などの目の前から”見えなくなった”区部では、未だ精神障害者の地域生活支援を担う資源が貧困なままです。 私たちは、この不均衡は私たちの実践によって生まれたものであると考察し、 是正すべきと考えました。 そこで、数年前からホームでは、入居受け入れの際に、障害福祉サービスの元の居住地に帰ってもらうことを条件としています。本人が慣れ親しんだ地域に帰り、支える責任を持つ元の居住地の担当者に入居前からしっかりと関わって頂きたいと考えています。

多様なニーズへの対応

現在は、若者で家族からの独立を目指す方、発達・知的障害の方、触法や依存症の方など、メンタルヘルスの問題を持つ方々の利用ニーズも高まっており、実際に受け入れも増えています。 このような常に新たなニーズに対応できるよう巣立ち会では職員のスキルアップに努めています。